東京・お台場のメガウェブ ヒストリーガレージで開催中の「トヨタWRC参戦の系譜」。
前回はグループAのセリカを中心に紹介しましたが、今回はグループBとグループS車両についてご紹介します。
まずは、グループBのセリカ・ツインカムターボ(TA64)です。
1983年の1000湖ラリーでWRCデビューを果たしたセリカ・ツインカムターボは、その年の第11戦コートジボワールで早くも優勝します。そして翌1984年から1986年にかけてサファリ・ラリーで3連覇の偉業を達成。トヨタの歴代WRC車両のなかでもその戦績は光り輝いています。
1982年10月に発売された200台限定のホモロゲモデル、セリカ 1800 GT-TSに対して、WRCに参戦したモデルは20台が製作されたエボリューションモデル。エンジンの排気量拡大を含む様々な設計変更が行われ、ベース車両とは別物の内容となっています。
展示車両はB.ワルデガルドのドライブにより、1985年のサファリ・ラリーで優勝した個体。フロントの物々しいアニマルバーがサファリ仕様の証です。
リアまわりもサファリ仕様ならではのディテールが興味深いですね。
こちらはグループS試作車のトヨタ222D。
2007年に同じヒストリーガレージで行われた「トヨタ・ミッドシップスポーツ・ヒストリー展」に展示されたものと同じホワイトの個体です。
当初はTA64の後継モデルとしてグループB規定で開発された222D。開発途中の1985年9月に、当時のFISAが1987年から新たにグループS規定でWRCを行うことを決定。そのため、途中からグループS車両として作業が進められました。
しかし、1986年5月のツール・ド・コルスでH.トイボネンとS.クレストが死亡する事故が発生したため、グループSは中止。トヨタ222Dは幻のWRCマシンとなりました。
MR2 (AW11) をベースにしたマシンですが、こうして見るとまったくの別物ですね。
BピラーからCピラーにかけてのデザイン処理などは試作車らしさが伺えます。
今回の展示車両は縦置きエンジン仕様の個体ですが、海外には横置きエンジンの初期型も存在します。
いつか2台の並びを見てみたいですね。