新型車ばかりのモーターショーのなかで、クラシックカーの展示があるとホッとするのは私だけでしょうか。今回のジュネーブでは、最新モデルに関連して過去の名車を展示したブースがいくつかあったのでご紹介します。
まず、ポルシェでは1960年の718 RS60 Spyderを展示していました。
これは同社のボクスターがマイナーチェンジして、新たに718 Boxsterとしてデビューしたことに合わせたもの。車両を斜めに配置したディスプレイも最高でした。
アストンマーティンでは、DB11のデビューに合わせてDB5をディスプレイしていました。
DB11は新世代のDBシリーズとなる重要なモデル。それだけにDB5が1台あるだけで、歴史の重みがグンと増していました。
ボルボはステーションワゴンのフラッグシップ、V90のデビューに合わせて1800 ESを展示していました。
1800 ESのスポーツワゴンスタイルは、個人的にかなり影響を受けたクルマの1台です。幼児期に学研の図鑑で見たのが最初ですが、その大胆なスタイリングにカルチャーショックを受けたことを今でも思い出します。Hondaのアコード・エアロデッキを真剣に買おうと思っていたのも、最初のクルマがいすゞPAネロ・ハッチバックだったことも、きっとこのクルマの影響でしょう。
Jeepのブースでは、1941年のウィリスMB誕生から今年で75周年となることを記念して、初代JeepであるウィリスMBを展示。会場にはさらにウィリス・ステーションワゴンとSJ型のJeepワゴニアも展示されていました。
カロッツェリアのトゥーリング・スーパーレッジェーラは、アルファ ロメオ・ディスコヴォランテのスパイダー版をデビューさせました。それに合わせて、起源となる1952年式アルファ ロメオ1900 C52 "Disco Volante"を展示。60年の時を隔てたふたつの「空飛ぶ円盤」は、どちらも素晴らしいスタイリングでした。
ブラバスは「BRABUS Classic」の名でメルセデスのレストアを手がけており、レストア車の販売も行っています。今回も新車レベルに仕上げられたレストア車両を持ち込んでいました。
RUFもブラバスと同様にクラシックモデルのレストアを積極的に手がけています。
写真の1973年式911カレラRS 2.7はまさに新車レベル。値段は果たしていくらになるのでしょうか。
RUFのブースには、1997年のパイクスピーク・ヒルクライムに出場したRUF CTR2 Sportも展示されていました。
2段構えのリアスポイラーに目が釘付けです。
思い返せば、2015年の東京モーターショーではマツダがコスモスポーツを展示していました。最新モデルだけでなく、ヘリテージを大事にするマツダの姿勢に感動したものです。
大手メーカーにとって、クラシックカーの展示は商売に直結するものではないかも知れません。しかし、最新モデルが歴史的な名車の系譜であることをアピールするには充分なパフォーマンスを備えています。マツダがRX-VISIONの世界初公開に合わせてコスモスポーツを展示したことで、同社のロータリーエンジンに対する思いをファンに伝えることができたのではないでしょうか。
意義のあるクラシックカーの展示に今後も期待したいですね。