グループBとしては最後のモンテカルロ・ラリーとなった1986年。その歴史的な一戦から30周年となることを記念して、1986年モンテカルロ・ラリー特集を行っています。
6日目は、「アウディ・スポーツクワトロS1のモデルカー」です。
1月23日から24日にかけて行われたファイナルレグは、文字通り最終決戦。モナコを2往復するステージを行い、勝者が決まります。
1月23日は10時15分にモナコのカジノ前をスタートし、SS26からSS30までの5つのSS、107.4kmが1本目。2本目は同日20時45分にスタートし、SS31からSS36までの6つのSS、150.8kmの戦いとなります。
優勝争いはプジョーのT.サロネンとランチアのH.トイボネンに絞られ、まさに2人の一騎打ち。前日終了時点での差はわずか33秒という接戦です。
SS26でトップタイムを記録したのはサロネン。有名なチュリニ峠を走る次のSS27ではトイボネンがトップタイムを記録するなど、緊迫した戦いが繰り広げられます。そして続くSS28でもH.トイボネンがトップタイムを記録し、ついにT.サロネンを逆転してトップに返り咲きます。SS29もトイボネンが連取。SS30ではサロネンがトップタイムを記録したものの、1本目のステージを終えた時点で、トップのトイボネンと2位のサロネンの間には37秒の差がついていました。
1986年モンテカルロ・ラリーの最終決戦はトイボネン vs サロネンの図式になりましたが、ラリー後半で調子を上げてきたのがアウディのW.ロールです。
W.ロールは1月20日のコモンステージ初日にSS10とSS11でトップタイムをマークしたほか、コモンステージ3日目では、T.サロネンと同タイムでトップとなったSS23からSS25まで3連取。最終日にも3つのSSでトップとなりました。
SSでトップタイムを記録した数はH.トイボネンの13が1番ですが、W.ロールはトイボネンに次ぐ8つのステージでトップタイムを記録。プジョー勢のトップタイムは、T.サロネンとB.サビーが5つずつ、J.カンクネンが1つに留まっていることからも、「モンテ・マイスター」と呼ばれたW.ロールの速さはこの年も健在だったことが分かります。
こちらはottomobile製の1/18アウディ・スポーツクワトロS1です。No.2のW.ロール仕様は2500個限定の通常品で、No.6のH.ミッコラ仕様はアウディ特注品で500個限定です。
これはレジンキットメーカーのスターター社が自ら完成品モデルとして発売したモデルです。かなり前に発売されたモデルですが、気になる経年劣化はなく、良好な状態を保っています。
これは "Walter Röhrl COLLECTION" として発売されたixo製のモデルです。750個の限定生産でした。
これはTEAM SLOT製の1/32レジン製スロットカーです。かなり旧い製品のため昨日紹介したScalextric製品と見比べると大味ですが、当時のグループBスロットカーはTEAM SLOTのレジン製品くらいしかなく、1000個限定だったこともあり、貴重な存在でした。今見ても、スポーツクワトロS1の迫力が充分伝わってきます。
これはProfil 24製の1/24レジンキットをプロモデラーが完成させた作品です。エンジンルームの再現もあるため、機会があれば自分でも作ってみたいキットです。
これはアウディがプレスキットとして報道関係者向けに少量配布したもの。ミニマックス社(スパーク)製1/87レジンモデルのアウディRS 5とアウディ・スポーツクワトロ S1の2台が、冊子およびUSBスティックとともに収められています。
1986年モンテカルロ・ラリーでは一度もトップに立つことなく終わったW.ロールですが、リザルトの良かったH.ミッコラよりもアイテム数が多く、いまだに高い人気を誇っているのが分かります。