« 1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.3 | メイン | 1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.5 »

1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.4

グループBとしては最後のモンテカルロ・ラリーとなった1986年。その歴史的な一戦から30周年となることを記念して、1986年モンテカルロ・ラリー特集を行っています。

4日目は、「プジョー205 T16のスロットカー」です。

1月20日にはじまったコモンステージ(一般行程)は2日目に突入。1月21日はSS12からSS19まで8つのステージが行われました。

この日最初に行われたSS12は、45.4kmのロングSS。ここではじめてトップタイムを記録したのが、ターマックを得意とするプジョーのB.サビーです。勢いに乗ったサビーはSS12からSS16までトップタイムを連発し、順位もそれまでの9位から一気に5位へジャンプアップ。また、SS3でトップタイムをマークしたあと波に乗れずにいたプジョーのエース、T.サロネンも次第に調子を上げ、SS15でランチアのM.アレンを抜いて2位に浮上します。

そんなプジョー205 T16のスロットカーは、複数のメーカーから製品化されています。なかでもイギリスのScalextricが発売したプジョー205 T16 E2は、1986年モンテカルロ・ラリーでNo.1を付けたT.サロネン車をモデル化。2500個の限定モデルとして販売され、シリアルナンバーも入っています。

製品自体は良くできているのですが、ホイールベースがやや長めで、パリダカ仕様のプジョー205 T16 GRのような印象を受けてしまうのが惜しいところです。

競技のほうは、SS12でアウディのW.ロールがパンク。スペアタイヤを積んでいたものの、それがスタッド付きだったため、3輪がスリック、1輪だけスタッドタイヤの組み合わせで走ることになり6位に後退。また、MGメトロ6R4に乗るM.Willsonがミッショントラブルでリタイアしています。

そしてトップを快走するH.トイボネンにとんでもないアクシデントが発生します。SS12を終えてSS13に向かう途中、なんと狭い道をラリーカーの如く飛ばしてきた一般車両と正面衝突し、フロント右側を大破。サービス隊による緊急修理により、次のTCになんとか1分遅れで到着という離れ業で競技に復帰しました。しかし、大きなダメージを受けたトイボネンのデルタS4は、右コーナーと左コーナーでハンドリングが異なるというカオスな状態に。そんな劣悪なハンドリングでありながら、SS17ではなんとトップタイムを記録しています。

ところで、1986年モンテカルロ・ラリーでは、それまでアウディをドライブしてきた女性ドライバーのM.ムートンがプジョー・タルボ・ドイツのプジョー205 T16 E1に乗り換えたことも話題となりました。

そのマシンを1/32スロットカーで製品化したのが、スペインのOSC社。OSCとはOriginal Slot Carsの略で、同社はほかにもプジョー205 T16 E1の1985年モンテカルロ・ラリー優勝車、プジョー205 T16 E2の1986年ツール・ド・コルス優勝車なども発売しています。このM.Mouton-T.Harryman組の1986年モンテカルロ・ラリー仕様は、624個の限定モデルでシリアルナンバー入りのカードが付属します。

ご覧のように、タミヤの1/24プラモデルを彷彿とさせる素晴らしい出来映えで、エンジンルーム内も繊細なパーツにより再現されています。これまで製作されたプジョー205 T16のスロットカーのなかでは決定版というべき圧倒的なクオリティを持っています。ただ、価格は前述のScalextric製品が2台買えるほど高価なので、気軽に走らせるならScalextric製品、コレクションが目的ならOSC製品という感じでしょうか。

そんなM.ムートンのプジョーは、1月20日の時点で8位につけていました。しかし、オイルプレッシャーのトラブルにより、SS14でリタイアとなっています。また、最初からエンジンの不調に悩まされてきたランチアのM.アレンも、SS17をフィニッシュする前にリタイアしています。

この結果、フランス南部のガップに到着した時点での順位は、1位 H.トイボネン、2位 T.サロネン、3位 M.ビアジオン、4位 H.ミッコラ、5位 B.サビーの順となりました。

コメントを投稿

About

2016年01月21日 23:53に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.3」です。

次の投稿は「1986年モンテカルロ・ラリー30周年特集 Vol.5」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35