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2015年10月 アーカイブ

2015年10月04日

シュツットガルト自動車巡りの旅 -2015-

フランクフルト・モーターショー(IAA)での2日間の取材を終え、翌日はメルセデス・ベンツとポルシェの本拠地、シュツットガルトに向かいました。

シュツットガルト訪問は前回のIAA以来4年ぶり。今回も移動はドイツ国鉄のICEを使用しました。前回の訪問時には備忘録として移動経路をブログに掲載しておいたので、それを頼りにまわることにしました。昼過ぎにシュツットガルトに到着後、シュツットガルト中央駅の券売機でエリア内の公共交通機関(VVS)の1日乗車券をゲット。Fellbachにあるメルセデス・ベンツ クラシックを目指します。


4年前のブログには、「シュツットガルト中央駅からUバーンの[U1] "Fellbach Lutherkirche"方面に乗り換え、終点から3つ手前のHohenstr.で下車。Uバーンの線路沿いを1分ほど歩くとすぐに建物が現われます」と書いたのですが、シュツットガルト中央駅と[U1]は直接接続していない様子。記憶をたどると、確かに[U1]の駅は中央駅からかなり離れた場所にあった気がしました。ツーリストインフォメーションで地図をもらう時間もないので、記憶と勘だけを頼りに歩くこと約10分。なんとか[U1]のRathaus駅を発見することができました。後から調べるともっと近い駅があったのですが、地図もスマホのGPS機能も使わなかったことを考えれば許容範囲でしょう。

ということで、なんとかメルセデス・ベンツ クラシックに到着しました。以前は「Mercedes-Benz Classic Center」と呼ばれていましたが、改めて調べると「Mercedes-Benz Classic Service and Parts」へと変わっており、建物からも"CENTER"の文字が消えていました。

以前と同じように館内を見学させてもらったところ、在庫車がかなり少ないことに気がつきました。訊けば、以前のようなレストア車の販売はほとんどなく、現在はデモカーやお客様からの預かり車両が多いとのことでした。

こちらはメルセデス・ベンツ 540K ストリームライナーです。1938年に製作された試作車をフルレストアしたもので、残されたシャシーからボディなどを架装し、走行可能な状態に仕上げています。

このメルセデス・ベンツ600は、長年ディーラーの送迎車として使用され、再びメルセデスのもとに戻ってきたという歴史を持った車両とのことでした。一度も顧客のもとにわたっていない個体があるとはビックリ。まさに奇跡的な1台です。

1台だけ見かけたメルセデス・ベンツ300 SLは、お客様からの借り物とのこと。もちろんコンディションは極上レベルです。

W113のSLは3台あり、うち1台が売り物でした。写真の個体は保存車両です。

この280 SE 3.5カブリオレは売り物でした。
新型のSクラス・カブリオレは、280 SE 3.5カブリオレが姿を消してから41年前ぶりに復活した最上級カブリオレです。そのため、このモデルの価値が改めて見直され、相場価格が上昇するかも知れませんね。

ゆったりとした雰囲気のなかであまりにもじっくり見学しすぎたため、メルセデス・ベンツ ミュージアムを見学する時間がなくなってしまいました。ということで、降り出した雨のなか、次なる目的地としてツッフェンハウゼンに向かいました。

2015年10月09日

ポルシェ ミュージアムで911 SC RSに再会

メルセデス・ベンツ クラシックを後にした私は、次の目的地としてポルシェ ミュージアムに向かいました。

[U1]のHohenstr.駅を出発して元の方面に戻り、Sバーンとの乗り換え駅Wilhelmsplatzで下車。SバーンのBad Cannstatt駅まで1分ほど歩いた後、[S1]でいったんシュツットガルト中央駅に戻り、[S6]に乗り換えてNeuwirtshaus(Porscheplatz)で下車しました。

このポルシェプラッツには、イギリス人芸術家のジェリー・ジュード氏が制作したポルシェ911のモニュメントが今年8月31日に一般公開されたばかり。製作途中には発表前の新型911を覆うカバーが外れて、思わぬかたちでリーク写真が出回ってしまうハプニングがあり、一気に存在が知れ渡りました。

そんなモニュメントを撮影すべくカメラを構えたものの、小雨混じりの天気でなんともトホホな状態。
仕方ないので数カット撮影してミュージアム見学に移りました。

ポルシェ ミュージアムの収蔵車両は世界中のあらゆるイベントに貸し出されています。そのため、訪れるたびに展示車両が異なるのが面白いところ。

フランクフルト・モーターショーの会場で見かけた1977年型の935 Babyに続き、今回は1978年の935/78 "モビー・ディック"を見ることができました。

こちらは911 SCのラリー仕様。前回ミュージアムで見た車両とは別の個体でした。

1984年パリーダカール・ラリー優勝車のポルシェ953は、間近で見るのは今回がはじめて。
前回、前々回はワークショップ越しの対面でした。

もちろんマクラーレンTAGやインディカーも展示されています。

見学中盤にして思わず釘付けになってしまったのが、この1台。そう、ポルシェ911 SC RSです。

911 SC RSは、白一色で何の飾り気もないプレーンなボディが特徴的なので、個人的には=PORSCHE MUSEUM=のサイドストライプは不要かと思いました。とはいえ、この素っ気なさはグループBホモロゲーション取得用車両にふさわしい佇まいですね。歴代のRSのなかでも、もっとも道具に徹した仕様といえるでしょう。

以前、ミュージアムのワークショップでガラス越しに2台の911 SC RSを見たときにも目が釘付けになりましたが、今回は間近で見学することができたので、いろいろな角度から眺めまくり。おかげで大幅な足止めを食ってしまい、この後の展示車両を駆け足でまわるハメになってしまいました。
機会があれば、この2本出しマフラーの音をぜひ聞いてみたいものです。

このポルシェ959はヘッドライトウォッシャーが付いていないタイプ。ということはプロトタイプでしょうか。

ちなみに今年9月30日から来年1月10日まで、 "The Super Porsche. 30 Years of Porsche 959." という特別展示が行われています。ポルシェ959の市販モデルが発表されてから30年を記念して行われるこの展示、私が訪問したときは開催前だったため残念ながら見ることができず。
もし、シュツットガルトに行く機会があれば、ぜひ見に行ってみてください。

この眺めは、いつ見てもうっとりしてしまいます。

こちらはなんと、映画「カーズ」でお馴染みのサリー。
実車が存在することもさることながら、ポルシェ ミュージアムに収蔵されていることに驚きました。

閉館時間になったので表に出てみると、いつの間にか雨雲が去って晴れ間が見えていました。
そこで、片付けたカメラを再度セッティングし、モニュメントの再撮影を開始しました。

雲がなくなるまで10分以上待ち、ようやく改心のカットが撮影できました!

カメラを片付けようとしたら、信号待ちをしている991のGT3 RSを発見!
急いで戻って最後に撮影したのがこの写真です。

ポルシェ ミュージアムは何度訪れても新鮮な発見がありますね。

2015年10月19日

ランチアランチ 2015に参加

昨日は大磯プリンスホテルで開催された [LANCIA LUNCH 2015] に行ってきました。

ほかにも様々なクルマ関連イベントが開催されていたため、例年に比べて参加台数はやや少なめでした。逆にいえば、よりランチア濃度の高いイベントだったともいえるでしょう。

今年はランチア・ベータ・モンテカルロの生誕40周年にあたるため、実に8台の車両が集結しました。いつもは037ラリーのほうに注目が集まりますが、今年は037がいなかったこともあってまさに主役級でした。

お馴染みのストラトス・グループ4仕様。今回ストラトスはストラダーレとグループ4の2台が姿を見せました。

ランチアランチの主役は、やはりデルタ・インテグラーレ。今年はコレッツィオーネの最終生産から20周年ということもあり、コレッツィオーネの姿が目立ちました。

こちらはHFインテグラーレ5と同6です。当時から人気の限定車でしたが、両者ともに価格が高騰していて、もはや頑張れば買えるレベルではなくなりつつあります。

午前中の目玉は、展示車両のなかでも特に珍しい車両に同乗できる「ランチアタクシー」。ご覧のようなレアな車両たちに同乗できる機会はめったにないので、タクシー乗り場は大賑わいでした。

至宝のストラトスに同乗できるなんて、贅沢すぎます!参加者にとって、これ以上の特典はないでしょう。私も乗ってみたかった!

もちろん、今回主役となったベータ・モンテカルロも参加して快音を響かせていました。

ランチアタクシーの様子を撮影していたら、急に私の名前がマイクで呼ばれたので行ってみると「BX 4TCの出番です」とのオファーが。「ランチアランチなのにシトロエンが乱入して大丈夫ですか?」と念押ししたものの「今日唯一のグループBなのでぜひ!」との答えが。ということで急遽、私のシトロエンBX 4TCもランチアタクシーに仲間入り。何人ものお客様に喜んでいただけました。

私にとっては2012年以来の参加となったランチアランチ。久しぶりに訪れた今回も穏やかな大人の雰囲気は相変わらずでした。現在、FCAのなかでランチア・ブランドの存在感が薄れてしまっているのは残念ですが、日本での根強い人気を改めて再認識した一日でした。

2015年10月26日

デルタS4ストラダーレの決定版

オートアートから1/18スケールのランチア・デルタS4ストラダーレが発売されました。

最近のコレクター向け1/18スケールミニカーは、多品種少量生産に向いたレジン製ミニカーが増えてきました。しかし、今回のランチア・デルタS4ストラダーレは、ダイキャスト製でディテールを再現した大作。フロントとリアのフード、ドアなどが開閉し、実車のような存在感を醸し出しています。

レジン製ミニカーは非常に繊細な造形ができる強みがある反面、パーツがすぐに脱落しそうなつくりで取り扱いに気を遣います。その点、ダイキャスト製ミニカーは、フルディテール製品であっても剛性のあるつくりになっていて安心感があります。

オートアート製の1/18ランチア・デルタS4ストラダーレは、レッドとグレーの2種類が発売されました。

最初に新製品案内を見たときには「グレーなんて実車にないでしょ」と思い、レッドだけを予約しました。しかし、実際に発売された[グレー]の写真を見てみると、どう見てもシルバー。シルバーであれば実車が存在するので購入を決定しました。実際に手元に届いて確認してもシルバーだったのでひと安心。それにしても、なぜ商品名が[グレー]となってしまったのでしょうか。

ご覧の通り、プロポーションは良好です。エンジンカウル部のウィンドウにスモークが入っていればさらに良かったですね。

デルタS4の複雑なエンジンルームはこのように再現されています。このつくりだけでも充分買う価値があります。ちなみにエンジンルーム前方のボードは取り外し可能。ボードを外すとエンジン部分がさらに観察できるようになります。

リアウィンドウのハッチが独立して開閉することに驚きました。ここまでやるとは脱帽。

もちろんインテリアもしっかり作り込まれています。

実車のシルバーの個体は内装もレッドなので、リサーチがしっかりしていますね。ドアポケットの消火器が気になります。

フロントフードも開閉可能。リザーバータンクがメッシュ越しに透けて見えるのが良いですね。

スケールを問わず、これまで発売されたデルタS4ストラダーレのミニカーとしては文句なく決定版といえるこのオートアート製品。最大の欠点は、32,184円という高価格です。

内容を考えれば価格相応とはいえ、3万円越えのミニカーはなかなか手が出ないというのが現実でしょう。それを考えると、1万円台で出来の良い1/18レジン製ミニカーが主流になりつつあるのも当然かも知れませんね。

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