マニアックで懐かしい車種を1/18および1/12スケールのミニカーで製品化しているメーカーがフランスのottomobile。先日発表された同社の7月と8月の新作には、またしてもグループBの新作が含まれていました。
まず7月発売予定となっているのが、Citroën BX 4TC Groupe B。言うまでもなく、シトロエン BX 4TCのラリー仕様そのものです。
同社では、2012年にロードカーのCitroën BX 4TC Serie 200を製品化しているの周知の通り。今回は待望のラリー仕様として、BX4TC Evolutionのほうが発売になります。
今回製品化されたのは1986年のSweden Rally仕様。このラリーではJ.C.Andruetのドライブにより6位に入賞しましたが、これがWRCにおけるBX4TCの唯一の入賞記録のため、ある意味記念碑的なマシンといえます。
BX 4TCのラリー仕様は、1/43ミニカーでは1986年モンテカルロ・ラリー仕様しか製品化されていません。それだけにスウェディッシュ・ラリー仕様は目新しいですね。もちろん1/18スケールでは初の製品化のためとても期待が持てます。
今回の生産数は2000台となっており、やや少ない感じがします。個人的な見解としては、これは今後1986年モンテカルロ・ラリー仕様を追加することを見越した数ではないかと思われます。これまでのotto-mobileのバリエーション展開の手法から推測すると、たぶんモンテ仕様ではライトポッド付きの姿となり、差別化を図ることになることでしょう。ただ、ターマック仕様のホイールを履いた姿だとあまりにもレアすぎるので、イクソの1/43製品と同じグラベル用ホイールがセットされるのではないでしょうか。
そして8月に発売が予定されているもうひとつのグループBが、Audi Quattro S1 Pikes Peakです。
アウディ・スポーツクワトロの1987年パイクスピーク優勝車は、同社ではすでに1/12スケールで製品化しています。逆にいえば1/18スケールではWRCに出場したラリー仕様しかなかったので、今回が待望の製品化といえるでしょう。
1/18スケールではすでにBBR系ブランドのTop Marquesが製品化していますが、個人的にはリアウィングのボリュームが控えめなのが気になりました。写真を見る限り、Otto mobile製品のほうがより自然に見えます。
こちらの生産数は4000台となっており、実車の人気と知名度からすれば妥当な数字といえます。
すき間ビジネスのような車種展開で注目されてきたotto mobile製品。ことグループBについていえば、大手メーカーが手がけてこなかったアイテムを続々とリリースしているので、本当にすき間が埋まりつつあります。
製造コストがジリジリ上がっているので数年前に比べるとかなり高くなりましたが、それでも他社に比べるとコストパフォーマンスが圧倒的に優れています。日本では新たに京商が取り扱うことになったこともあり、今後も注目していきたいメーカーです。