会場に展示されているクルマは新型車だけではありません。ブランドを強く印象づける存在としてクラシックカーが重要な役割を果たしている場合があります。
シトロエンから分離して新ブランドとして誕生したDSは、今回のジュネーブがお披露目とあって気合いの入った展示を行っていました。特にこのDS 21 Pallasは、単なるレストア車ではなく、"2015年版"としてボディカラーを新型DS5のイメージカラーであるインク・ブルーとして、内装も新たに最高級セミアニリンレザーで仕立て直したもの。ある意味、オーバーレストレーションではありますが、今年で生誕60周年を迎えるDSに新たな息吹を吹き込むという意味で記念すべきモデルといえるでしょう。
これはBorgward AGのブースにただ1台展示されていたイザベラ・クーペです。Borgwardは1919年から1961年まで活動していたドイツの自動車メーカーで、半世紀の時を経て復活することを発表しました。今回間に合わなかった新型車は今年9月のIAA(フランクフルト・モーターショー)に展示するとのこと。ジュネーブではイスパノ・スイザのように、往年の名門ブランドが復活を高らかに宣言したものの、後は鳴かず飛ばずでいつの間にか姿を消していることがよくあります。Borgwardの場合は、創業者の孫であるChristian Borgward氏が社長となり、すでに2005年からブランド復活に向けて活動していたとのこと。とりあえず今後の展開に要注目ですね。
日本でも人気の高いRUFは、チューニングだけでなくクラシック・ポルシェのレストアも行っていて、彼らがレストアしたポルシェ901の作業内容はRUFのホームページにも紹介されています。今回のジュネーブで展示していた911タルガは、まさに2009年のジュネーブでRUFが発表した「eRUF グリーンスター」のカラーそのもの。欧米で過熱しているクラシックカー需要を考えると、今後はクラシックカーのレストアが彼らの重要な事業のひとつになりそうですね。
ブラバスといえば、メルセデス・ベンツの代表的なチューナーのひとつで、smartでついにダイムラーと正式にコラボしたのは周知の通り。そのブラバスが以前からジュネーブに毎年持ち込んでいるのがフルレストアしたメルセデスのクラシックモデルです。
"BRABUS Classic"として展示されていた車両は、280 SE 3.5カブリオレと280 SL、300 SLロードスターの3台で、いずれも来場者の注目を集めていました。
ご覧の通り、新車と見間違えそうな完璧な仕事ぶり。ブラバスではできるだけオリジナルパーツを使ってレストアを行うほか、彼らが得意とする革張り作業や塗装などをはじめ様々な特別注文に応じてくれるとのこと。実際にレストア車の販売も行っているので、気になる人は問い合わせてみてはいかがでしょうか。