プジョー205 T16のミニカーたち
プジョー205ターボ16 Evolution 2のミニカーが、2つのメーカーからほぼ同時期に登場したので、見比べてみました。
まずは、イクソ製ミニカーのほうから。1985年の1000湖ラリーで優勝した、T.Salonen / S.Harjanne組のマシンです。
イクソ製のミニカーは、グループB現役当時につくられた旧ヴィテス製品をルーツとする歴史の長いものです。現在のイクソに引き継がれた時点で大幅な改修を受けたため、当時の製品とはまったくの別物になっているのはもちろんのこと、以前のイクソ製品から比べても、アンテナやワイパーなどをプラスチック部品からエッチング部品に置き換えるなど、今回さらなるアップデートが施されています。
こちらは、スパーク製のミニカー。1986年のモンテカルロ・ラリーで2位に入賞した、T.Salonen / S.Harjanne組のマシンです。
スパークは、ボディをレジン製とすることによりシャープなモールドと小回りの効く生産を両立していますが、ライトポッドの取り付け部やウィングのステー、マッドフラップなどのディテール処理は、量産品ミニカーのレベルを完全に超越しています。
左がイクソ製品で、右がスパーク製品です。
同じ1/43スケールでもスパークの方がやや小さめにつくられているのがよく分かります。
前後のウィング形状も両者で大きく異なりますが、スパークのフロントリップスポイラーは、ややオーバーサイズ気味ですね。
リアにまわると、両者の違いが明確に表れます。
左のイクソ製品に対して、右のスパーク製品はリアが適度に絞り込まれていて、良好なプロポーションを見せています。車高についても、スパークが適度なバランスを見せているのに対して、イクソはターマック仕様に近い低さのため、1000湖ラリー仕様としては違和感が残ります。
ミニカーは車高が低いと格好良く見える場合が多いのですが、グラベル仕様のラリーカーの場合は、ある程度車高が高くないと違和感が出てしまうので難しいところです。いずれにしても、スパーク製のミニカーの出来が驚異的に良いことだけは間違いありません。
スパーク、恐るべし……。